「ほめる」と「承認」
オオタニです。
私は、小学校の教員をしながらコーチングのコーチとして無料セッションを行なったり、勉強会を行なったりしています。
ほめられるとうれしくなり、やる気が出ます。
そこで、「子どもたちをほめましょう」とよく聞くことがあります。
でも、、、
「ほめる」ことは、絶対的に効果があるものなのでしょうか。
「ほめる」というのは、相手を称賛することです。
ほめると、相手の自己肯定感を高めることができます。
また、やる気や元気が出てきます。
しかし、ほめるときには、気をつけなければならないことが三つあります。
① ほめることを繰り返していると、ほめられるために行動するという、受け身の態
度を育ててしまうおそれがある。
② ほめられないと行動しない、ということもあり得る。
③ 自分ではほめてもらえると思っているのに、ほめてくれないと不満をもつ。
「ほめる」という行為は、相手を評価したり称賛したりすることですから、背景に上下関係が存在します。
「ほめる」ことは、無意識に上下関係を作り出すことがあります。
もちろん、ほめることを一概に否定しているわけではありません。
ほめることで、相手がどんどん成長することも多くあります。
小学校低学年は外発的動機づけが有効であり、高学年から中学生になるに従って内発的動機づけが大切になると言われています。
小学校低学年には、ほめることは効果的だといえます。
高学年にはどうすればいいの?
コーチングでは、ほめることはせず、具体的な行動について努力や感謝などを承認で伝えます。
(例)
子ども:「毎日2時間、テニスの練習をしています。」
教師:「毎日2時間、練習しているんだね。体には気をつけるんだよ」
ここでは、「すごいね」や「えらいね」とは、ほめていません。
もしも、ほめたりすると、それが評価になってしまい、子どもはその評価を意識して練習してしまうことになりかねません。
「2時間練習している」という事実を教師が認める言葉をかけることで、子どもにとっては「先生が見てくれている」と感じることにつながります。
承認は、相手の具体的な変化や事実を言葉にして伝えるだけですが、相手の心にはすっと入ります。
さらに、それが自分自身ではまだ気づいていないことであれば、うれしさや学びは大きくなります。
承認は、いつでも誰に対しても効果があります。「ほめる」と「承認」の違いを理解して、意識して使い分けてみてください。
ありがとうございました。